【基礎知識】不動産査定の流れや費用、相場の計算方法⑥

6. 不動産をより高く査定してもらうためのポイント

不動産を売却する立場としては、なるべく高く売りたいと考えるのは当然です。
高く売るにはまず、入口となる査定価格を不動産会社に高く出してもらう必要があります。

①不動産査定に必要な書類を準備

不動産の実力を適正に査定してもらうためには、まず必要な書類をそろえることがポイントになります。

 

【不動産査定を受けるときに必要な主な書類】

登記済権利証または登記識別情報通知:土地・建物の所有権登記時に法務局から交付される書類

固定資産税(・都市計画税)納税通知書:市区町村から毎年送られてくる書類

公図、地積測量図、境界確認書など:隣接地との境界線を確認するために必要

建築確認済証や検査済証:建築基準法を守って建てられた建物であることを証明する書類

売買契約書や重要事項説明書:面積など物件情報の確認に必要

 

②物件の見栄えを良くする

物件を高く売るには、部屋を片付けて清掃するなど、少しでも見栄えを良くすることが望まれます。
ただし、これは一般人である買い主に対して必要なことであり、不動産査定を依頼する不動産会社に対しては見栄えを気にする必要はありません。

なお、売却時に物件をリフォームすべきかどうかという問題がありますが、基本的にはリフォームは不要です。というのも、大きな金額をかけてリフォームしたとしても、その分を売却価格に上乗せできるとは限らないからです。

最近は中古住宅の購入と同時にリフォームをするケースが増えているので、
リフォームするかどうかの判断は買い主に任せたほうが賢明でしょう。

③物件の不具合を確認する

不動産査定の前に実施したいのが、住宅設備の故障やドアの建て付けの悪さ、壁紙のはがれなどを確認しておくことです。
こうした不具合は売却価格が下がる要因になる可能性が高く、査定価格にも影響します。

 

ただし修繕した分を査定価格に上乗せできるとは限らないので、修繕しないまま売却するという選択肢もあります。その場合はどこに不具合があるかを明らかにしたうえで査定を受け、契約した不動産仲介会社に相談するとよいでしょう。

なお、雨漏りやシロアリといった重大な不具合は「瑕疵(かし)」と呼ばれ、特に注意が必要です。瑕疵に気が付かないまま売却し、そのあとに瑕疵が発覚した場合は、引き渡しから一定期間(3ヶ月程度が一般的です)は売り主が修繕費用を補償しなければならないという内容で契約するケースが少なくないためです。

 

(一般的な項目)
・雨漏りやシロアリ被害、建物の傾き、柱の腐食
・土壌汚染や地盤沈下
・現行の耐震基準や建ぺい率、容積率などを満たしていない物件である
・過度な騒音被害を受ける、近隣のゴミ屋敷から悪臭がする
・事件や事故があった物件である

 

④複数の不動産会社に査定してもらう

一般の住宅では、不動産査定は取引事例比較法が用いられるケースがほとんどです。
ただしどの物件と比較するかなどは各社それぞれなので、実際の査定価格も不動産会社によって差があります。

 

1社だけに不動産査定を依頼しても、その査定価格が高いのか低いのか比較ができません。
そのため査定依頼をする場合は、複数の不動産会社に査定してもらう必要があるのです。

 

不動産会社が現地で詳細に調べる訪問査定については、最低でも3社程度に不動産査定を依頼し、比較するようにしましょう。